とりあえず書いてみよう。。。 | 飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆

とりあえず書いてみよう。。。

以下はUジローさんのブログへのレスです。

飛鳥スレにこういう長いのを書くと、実用的なQ&Aなどの一覧性が悪くなり却って飛鳥の普及の
妨げになって自殺行為になりますので、私も「人のするブログなるもの」を立ち上げてみました。

と言っても、ネットができる時間が限られるのでトラックバック
とかの意味が全然分かってないんですが。。(^^;;

親指シフトでは「ダダダダダッ」とは打てない?

>(親指シフトの「トントン打鍵」という)そんな乳臭い快感だけに甘んじて
>それ以外の官能を知らないのは、まだまだ青いと!
>ロールオーバー的な打鍵で「ダダダダダッ!」と見事に、一瞬にして単語を消し去る
>必殺コンボが決まったときのスリリングな快感は、それはそれで楽しいものである。


ええと、まず前提として私が最も長期間打ってきたのは(打鍵量ではなく)タイプライタ以来の英文です。
また、最近は市のPCで結構長いのをローマ字で打つ機会が多くなったので、ローマ字での打鍵感覚も
かなり分かってきました。
で、その体験から言うと「ダダダダダッ!」と見事に単語をうち切る感覚は英文タイプに最も顕著です。

これは、ローマ字と違って英文はいつも目にしている字そのままで打つことがまずあり、
英単語の各音節は非常に数が限られていて、共通に使われるものが多いのが大きな理由です。

また、英語は発声的に「母音と子音が独立している」ので、ローマ字のような「カ=ka」のような
「子音母音ワンセット」の感覚はないので、ロールオーバーをする誘惑は感じられません。
あくまでも一つ一つの文字を等間隔で打っています。

「トントン」になるか「ダダダダッ!」になるかは、打鍵速度に拠ります。
つまり、秒速1打鍵だったら「トントン」ですし、3~4打鍵だったら「タタタタ」、
等間隔でも秒速6打鍵超とかだったら「ダダダダダッ!」になるわけです。

シフトがややこしい親指シフトでは「どんな単語もダダダダッと打つ」のは不可能でしょう。
しかし、飛鳥では配列の工夫でよく使う単語や表現は「ダダダダッ!」で打ち切れるようにしてあります。

つまり、「ですが、ですよね。なわけです。とうきょう ただしい しっていた」など
相当数の単語や言い回しで「ダダダッ打鍵」が可能です。

この場合は飛鳥でも肉体的な最高速で打てますから、「ですよね。」だと左シフト+;KIW.
でシフトを1打鍵として5打鍵になります。ローマ字や月だと9打鍵ですから、飛鳥の「ダダダッ!打鍵」
の部分はこの例では5割方速いと言えます。

「トントン」になるのはたまにしか使わない単語で、これは打っていくうちにどんどん数が減って行きます
一年に数日しか打つ機会のない「クリスマス」なんかは「リスマス」で左シフトの連続が効きますが、
もう何ヶ月も打っていないのでどちらかというと私でも「タンタタタ打鍵」位になるわけです。

もっと使わない「ナポレオン」ですと、「ナポレオ」までが右シフトの連続で結構打ち易いのですが
こういう話題で無理に書かない限りまず打たない単語なので、そんなに速くは打てません。

こういうマイナーな単語を飛鳥で打ってみると、15年打っていたJISカナのように
「カナを組み合わせて打っている」のではなく、指がもう記憶している何千もの言葉
と言い回しを「運指」で打っていることが分かります。

残念ながらこの段階に達するのには英単語を運指記憶で打つより何倍も時間が掛かるようです。

というのは、26字しかなく、またその組み合わせも限られている英語より日本語の82字のカナの
連続の仕方は格段に多様なので、「殆どの言葉を運指で打ちきる」ようになるまでには相当時間が
掛かるのはやむを得ません。


しかし、ローマ字で打っていると確かに私でも「高級だな」と思うことがあります。

まずは、よく言われる「カナからローマ字への脳内自動変換」はカナそのままで
純朴に打つ親指シフトと比べると遥かに高級です。

私はローマ字の教材をタイプライタで結構打った経験があるので、ローマ字への脳内変換は最初から出来ていました。

しかし、私がローマ字入力で最初にとまどったのは訓令式ローマ字とは違って
助詞の「は・へ・を」をwa e oではなく ha he wo と打つことでした。
この「発声と表記のズレ」も何日か打って行くうちに慣れました。

こんなことを言うと、カナ入力だって助詞の「は・へ・を」は「わ・え・お」とは打たないと思う人が多いでしょう。

それはそうなのですが、この助詞の表記の使い分けは小学校以来注意されてきたことで頭に染みついています。
また普通に新聞や雑誌や、それを見ない人でもTVのテロップを見ていれば日常的に大量に目にしているので
カナでこの使い分けに抵抗を覚えることはまずないのです。

ローマ字は性格上カナの音を作って行くやり方なので、どうしても音とカナの一致に引きずられるのです。
もちろん、ローマ字で書かれた文章などまず読む機会がないということもあります。

で、こういうローマ字の発声と表記のズレを脳内で無意識に処理することもローマ字が「高級」と思われる一つです。

しかし、もっと高級だなと思わせるのは、ローマ字で打っていると「言葉を呟きながら打たない」ということです。
つまり、脳内にある文章がそのまま指に乗るので「呟く」という中間作業を必要としないのです。

しかし、この「高級さ」には裏があって、本当は呟きながら打つ方が自然でストレスが少ないのです。

でも、それをローマ字でやろうと思っても発声の一拍が一打鍵では打てないローマ字ではできません。
ですから、それをしたい気持ちを圧殺して脳と指を直結させるので、不自然な分だけ高級感が漂うのです。


打鍵音、聞こえる?聞こえない?

自然さの「圧殺」といえば、最近気づいたことは飛鳥で打っていると常に打鍵音が聞こえるのに、
ローマ字で打っていると打鍵音が全然聞こえないことがあります。

タイプライタ打ちの私は「押す」ではなく「叩く」感じで打ちますから、打鍵音は大きい方だと思います。

でも、ローマ字でどんどん打っているときは打鍵音は全然聞こえてこないのです。それで、masu.なんか
の語尾を高速打鍵(=強い打鍵)で打ち切ったとき、最後の部分だけが市の施設のだだっ広い部屋中に
鳴り響いているのが聞こえて驚くわけです。
私の施設というのは、家ではネット出来ない私は、リアルのレスを書く場合はそこで
ローマ字で打つしかないからです。(こういう長いのは家で飛鳥で打っています)

ではローマ字だと何故打鍵音が聞こえないのでしょう。

それは、ローマ字は発声のリズムと打鍵が全然一致していないので、打鍵音が聞こえると
脳内の言葉のリズムと一致していないために、打鍵が乱されるからです。
それを避けるために、脳が勝手に打鍵音を遮断しているようです。

この「打鍵音遮断プログラム」を働かせ続けるのは無意識とはいえ結構脳にストレスが掛かります。

打ち切る直前に急に打鍵音が聞こえるのは、しばらく休める文末では「早く休みたい」と
フライングで最後の部分だけこのプログラムをオフしてしまうせいのようです。

こういうのも、不自然なことをやっている2ストローク系がその分「高級」と感じさせる部分です。

恐らくこの辺がローマ字打ちの人に多い「俺達は普段使わないローマ字という余計な手間を脳内で処理し、
打鍵音遮断なんかをいつもしているので、カナをカナのまま幼稚に打つ親指シフトなんかより遥かに
高級なことをやっている」という、ローマ人にありがちな勘違いの自負につながっているようです。

とにかく、私は飛鳥でも語尾やよく使う言い回し、漢熟語など全体の二割程度は
「ダダダダッ打鍵」に近い感じで打っています。残りの八割の部分は「タタタ打鍵」でしょうか。

まあ、どんな方式でも初心者は「トントン打鍵」で上級者は「ダダダダッ打鍵」なんだと思います。

ただ、飛鳥では上級者でも普段は「タタタタ打鍵」で、時々「ダダダダッ打鍵」が混じります。
それでも2ストローク系より速いですし、常に「ダダダダッ打鍵」するのは、ゲームでも
ない長時間の文章を考えながらの打鍵ではどうせ長くは続かないからです。


ただ、ニコラのように頻出する言い回しや単語に打ち易い運指が与えられていないと、ここぞという時の
「ダダダッ打鍵」は無理になります。
ですから全体を通して、発声との一致を無視して「トントン打鍵」になるのだと思います。
慣れれば「タタタ打鍵」までは可能なのですが、「ダダダダッ打鍵」は配列側でそれが必要な
文字列に打ち易い運指を与えていないと不可能になります。

こういうわけで、発声でも語尾を代表として「ダダダダッ発声」は結構多いことを考えるとニコラも
ローマ字と同様、発声と打鍵の一致の視点からは不自然なのです。

飛鳥は「ダダダダッ/タタタタ/トントン」を発声に応じて使い分けられるように配列しています。

前回の「ドナドナ」などが飛鳥でも「トントン」になるのはそんな言葉は打つことが
まず無いので慣れていないからJISカナ的に「カナを組み合わせて打っているからです。

いつも「思うドナドナ。」とかいうのが標準語尾だったら、右シフトの四連打でもあり
「ダダダダッ」と打つと思います。

あと、ロールオーバーについて。

あとロールオーバーは、一拍のカナに二打鍵を必要とするローマ字などの2ストローク系では
「発声と打鍵との一致」を無意識に求めるためにやりたくなるものだということは分かる気がします。

でも、ロールオーバーは遅く、私のようなタイプライタ式の「打ったらすぐに指を離す方式」
が遅いということは全然ありません。

というのは、ギネスの世界最高記録はタイプライタ的な打ち方で達成されているのです。

この記録は、飛鳥スレのdenさんに教えてもらったアメリカ人のタイピスト兼Dvorak配列の広告塔の
Barbara Blackburn さんが1985年に立てました。

ソース
Barbara Blackburn, the World's Fastest Typist
http://sominfo.syr.edu/facstaff/dvorak/blackburn.html

最高速は瞬間速度で212 wpm(分速1060打鍵)、平均は170 wpm(分速850打鍵)
また、50分間の連続打鍵では 150 wpm(分速750打鍵)だそうです。

ミスタイプ率は0.2%だったそうです。それだけの速さでそのミス率はスゴイです!
ただ、実用の打鍵では彼女は何割かスピードを落として、限りなくミスゼロの打鍵をしていたと思います

彼女はアップルのQWERTY/Dvorak両用キーボードのテレビCMに出ていた人ですから
この記録は年代を考慮するとタイプライタで出されたものではないでしょう。

彼女は高校のQWERTY配列でのタイピングの授業では落第生だったそうです。
その彼女がDvorakを1938年に始めました。
その数年後には
>She took to it like a fish to water. In only a few years her speed was up to
138 words per minute. (水を得た魚のように、数年後には彼女の打鍵速度は分速690打鍵に達した)
とあるように、Dvorakのタイプライタで秒速10打鍵超を達成しているのです。
実務でタイプをしていて35年!経って、タイプライタをキーボードに変えたら
23%だけ早くなって世界チャンピオンになったのです。

速度はあくまで生活の手段としてタイプをしてきた「結果」であり、彼女の目的
ではなかったことを、タイパーの皆さんにはもう少し考えて欲しいと思います。

「Dvorak配列の広告塔」としては高速タイプの練習を実務とは別にしたこともあるでしょう。
しかし、広告塔はタダではありません。
その練習も彼女にはプロ野球選手の自主トレと同様な「仕事」だったのです。

で、高校時代速記も簿記も州の大会で優勝したほどの優秀な彼女が、QWERTY配列
でのタイピングだけは、クラスの落第生だったとあのページにはあります。

それがDvorak配列にしたら数年で急に秒速10打鍵超になったというのは、
いくら何でもDvorakの宣伝臭が強いのですが、ここではそれは置いておきます。

彼女はロールオーバーもベタベタ打ちもできないあのタッチがクソ重くてストローク
の長い手動タイプライタで、既に秒速10打鍵超の打鍵をしていたのです。
当然、ギネスの記録もタイプライタ的な打ち方で叩き出されているもののはずです。

私の経験でも、タイプライタで始めた人はPCでもタイプライタ的な打ち方をします。
まして、私など比較にならないほどタイプライタを打ってきた彼女がPC時代になって
ロールオーバーなど使うことはないでしょう。

大体、ロールオーバーはそこそこのスピードは出てもそんなに速く打てないと私は思います。

というのは、打鍵を終えて用済みになったキーを押したままにしておくことは
次にその指の打鍵が来た場合、
「指を上げる→(押していたキーがホームキーでないときは)指をホームに戻す→次のキーを打ちに行く」
という動作が必要だからです。

タイプライタ式に打った力の反動で指を離す(というか跳ね返えさせる)と指を上げる動作は必要なくなり
ますし、他のキーを打っている間に指をホームに戻しているので、次の打鍵に行くのに時間が掛かりません。

また、ロールオーバーの癖が付いていると、キーを連続して打たない場合も一つのキーを押し続けてしまい
無駄に同じカナを連打するミスも時々出る可能性も否定できません。

ローマ字やJISカナでロールオーバーが必要なのも、普通の打ち方では高速打鍵が
出来ない配列の故です。

そういうテクニックを弄さなくても高速で長時間打てるように配列側で工夫することこそ
重要だと思って、私は指使いの「最適化」など不要なように飛鳥を作ってきました。


ということで、ロールオーバーというのはあくまで2ストロークで一音一拍で打ちたいとか打ちにくい
JISカナで素早く打つための苦し紛れの工夫ではあっても、最初から打ち易い運指を熟考している
飛鳥のような入力法では、特に早くなる打鍵法ではないという根拠をつらつら書いてみました。

ここを読まれている方に質問

あなたは次のような修正でどうしていますか?

それは便利です。→これは便利です。

A.「そ」の後にカーソルを持っていって、BSで「そ」を消して「こ」を打つ。
B.「そ」の前にカーソルを持っていって、Delキーで「そ」を消して「こ」を打つ。

私は近い方のBSを使うので、Aの方でしたね。。。JISカナの時は

でも、今はこうしています。というか、こういう風にしかできません。

C.「そ」の前にカーソルを持っていって、「それは」を打ち、delを3回押して「これは」を削除。

どうです。これ一番叩くキーの数が多くて非効率的なんです!!
で、JISカナの時のようにAでやろうと随分努力したんですが、気が付いたらCの修正をしているんですね。

この原因は
1.「それは」を「これは」と修正しようと思ったとき「そ」を「こ」に直そうとは「思えない」こと。
2.飛鳥では名詞は常に「助詞付き」の運指で指に記憶されているので「これ」で止まらなくなっている。

これは英文タイプでの単語の修正と同じなので、飛鳥が「運指で打つ」という
英文タイプと同様のものになっている証拠かも知れません。